抗生物質

様々な治療法が生まれた現在でも、多くの皮膚科では抗生物質を含む外用薬がニキビ治療の第一の選択となっているようです。ここでは、抗生剤、抗菌剤の作用メカニズムを紹介した上で、慢性的なニキビにはどういった治療が向いているのかをわかりやすく紹介させていただきます。

抗生物質によるニキビ治療

こちらでは、もっともオーソドックスなニキビ治療法である抗生物質の処方について紹介しています。抗生物質を含む外用薬(塗り薬)には、どのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。ニキビを治すための基礎知識として、ここでは抗生物質の有用性について細かく見ていくことにしましょう。

通常の皮膚科では抗生物質が第一選択

近年、外用薬を用いない治療法に対応した皮膚科クリニックも増えてきていますが、ニキビ治療に力を入れていない普通の皮膚科では、抗生物質による治療はもっとも一般的な治療法として扱われており“とりあえず抗生物質が第一選択”といった皮膚科クリニックも多い印象です。ニキビに適応される抗生物質としてはリンコマイシン系抗生物質のクリンダマイシン、ニューキノロン系抗生物質のナジフロキサシンが挙げられます。効果自体はリンコマイシン系のほうが強いのですが、その分、副作用も出やすいため、双方とも一長一短といったところです。

炎症を起こしていないニキビには無意味!?

ただし、抗生物質が適応となるのは炎症を起こして腫れ上がっているニキビだけ。というのも、別に抗生物質にはニキビを治癒する効果があるわけではなく、細菌類を殺傷する力があるだけなのです。要するに、炎症の原因となっているアクネ菌を一掃し、結果として炎症止まります。なので、炎症を起こしていない白ニキビや黒ニキビの段階で、抗生物質を処方する意味はまったくありません。また、そのときに発生している炎症を抑えるだけなので、ニキビそのものを治癒し、健康な肌を取り戻す…といった根本治療にはならないのです。

実はアクネ菌を一掃してしまうのも考え物!

また、アクネ菌というのは全てがニキビの原因になるわけではなく、あくまでもアクネ菌の一部が悪玉菌としてニキビ悪化に関係しているということが最近の研究で明らかになっています。要するに大腸菌による腸内環境と一緒で、善玉菌と悪玉菌の双方が存在し、善玉菌優位の状態を保つことが健康維持の秘訣ということです。そのため、善玉、悪玉の区別なく塗った箇所の細菌すべてを根絶やしにしてしまう抗生物質は、炎症が治まったあとの皮膚環境を考えると、決してプラスとは言えないことが分かります。

ニキビが出来やすい人は抗生物質だけではダメ!

ここまでの内容から、もともと肌が強い人、ニキビが出来にくい人が偶然に1回だけ炎症性の赤ニキビに見舞われたという場合なら抗生物質による治癒が望めますが、慢性的にニキビが続いている場合、長期的な予防を視野に入れた別の治療計画が必要になることが分かります。また、抗生物質は連用すると耐性菌といって、その抗生物質が効かない細菌を生み出してしまう性質もあり、そもそも長期連用には向きません。慢性的にニキビが続いている場合、抗生物質による治療は避け、今後のニキビ予防を重視した専門的な治療が必要になるでしょう。

抗生物質を用いた治療法〜まとめ

一般的な皮膚科では炎症性ニキビに対する治療には抗生物質が用いられます。一時的に炎症を止める力は持っているので、普段は健康な肌質という人がたまたま炎症を伴うニキビ、吹き出物に襲われた場合は確かに有効な治療手段となるでしょう。しかし、ニキビを予防する効果は持たないので、慢性的にニキビが出来やすいという方には抗生物質による治療は勧められません。その場合、専門病院を受診して、根本治療を目指したほうが良い結果を生むはずです。