皮膚科でも漢方薬を処方することが増えてきており、漢方によるニキビ治療に期待が集まっています!こちらでは東洋医学によるニキビ治療の可能性、具体的に効果が認められている処方など、美肌を取り戻すための情報を満載してお届け。
2010年には政府の方針として西洋医学、東洋医学、双方の良い面を取り入れた統合医療の推進を目指すことが発表され、にわかに漢方医学の力がクローズアップされるようになりました。こちらでは、そんな今注目の漢方がニキビにもたらす効果について解説していきたいと思います。
これだけ漢方が注目される今になっても、漢方や鍼灸を迷信と考えている方がいらっしゃるようですが、決してそんなことはありません。東洋医学は西洋のように特定成分を分析して作用機序を調べる…といったスタンスを取ってきませんでしたが、“○○をしたら症状か改善した”といった経験を集積することで発展してきました。実際、現在では予防医学、苦痛緩和、慢性疾患の緩和といったフィールドでは西洋医学より高い効果をもたらすと考えられており、医師の80%以上が漢方を処方した経験があるというアンケート結果も出ているほどです。
・清上防風湯(セイジョウボウフウトウ)
炎症を緩和する作用があるため、腫れたニキビが出ている場合に、症状を抑えることができると言われています。
・桂枝茯苓丸加薏苡仁(ケイシブクリョウガンカヨクイニン)
血液の流れを良くする漢方で、老廃物の流れを良くする目的で処方されることがあります。また、ホルモンバランスを整える効果もあります。
・荊芥連翹湯(ケイガイレンギョウトウ)
皮膚の浅黒く、炎症をおこしやすい人のニキビに効果があり、炎症を抑え肌に潤いを持たせる効果があります。
・十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)
ニキビの膿をださせて、炎症を抑える作用があります。
ここまでお伝えしたとおり、多くの疾病に対して漢方薬が用いられるようになってきましたが、漢方だけで症状が消失する可能性は低いです。なので、皮膚科で根本治療を受けつつ、医師に相談しながら漢方の併用を考えるというのが妥当でしょう。どうしても漢方中心の治療したいのであれば、漢方皮膚科を設置している医療機関を受診するという選択肢もありますが、医療機関の数は相当に限られてしまうので、強く推奨はできません。
統合医療が進められている現在、漢方はあらゆる分野で重宝されるようになってきています。ニキビ治療についても例外ではなく、漢方皮膚科を標榜する医療機関も存在しているほど。ただ、集中的な治療については西洋医学の得意とするところですから、西洋医学の治療を行いながら、補助的な治療として漢方を利用するという力加減がベストなのではないでしょうか。